庭と住まいの間 103
窓を開けて、明るい日差しが身体に流れ込む中、視界にはいっぱいの緑。気持ちがふっと和らぐような景色です。穏やかな印象が広がる一部屋ですが、その要になっているのはこの庭のおかげかもしれません。
住宅街に並ぶアパートの1階。日当たりが気になりますが、角部屋ということもあって思ったよりも日差しが届く室内。くもりの日は厳しいかもしれませんが、晴れた日なら日中は外からの明かりだけで過ごせそう。
玄関からキッチンが始まる2DKの間取りで、ふたつある6帖と5.5帖はそれぞれリビングや寝室に。収納は5.5帖にはオープンなクローゼットがひとつのみと、ほとんどありませんが、そのぶん室内はとてもスッキリ。自分好みの収納が選べたり、空間を広く見せる工夫ができたりと、自由度も高い間取りです。
そして、窓の先にあるこの部屋だけの庭。洗濯はもちろん、アウトドアチェアやテーブル、プランターも置けるほどの広さがあります。目隠しにもなっている植物は、サザンカ。秋から冬にかけて、鮮やかな花が咲き誇ります。しばらく庭にいた感じでは、人目は全く気にならなかったのでカーテンは薄手のもので、むしろ、日中は開け放しておけるかも。
駐輪場は敷地内に。スーパーは最低でも歩いて15分の距離にあるので買い物は少し不便ですが、自転車があるとずいぶん暮らしやすくなると思います。
食材や日用品はちょっと大変ですが、ランチや気晴らしにはとても魅力的な場所で。緑豊かな一帯にカレー(kitchen and CURRY)やパン、アイスクリームやコーヒー、もっと近くには天井の高い空間に富士山の描かれた銭湯があります。休日やのんびりとした午後にぴったりの場所。
部屋も街も、どこか自分らしさや穏やかな時間を持つことを委ねているような印象でした。サザンカから季節の変化と和らぐ心をもらいつつ、きっと自分のペースで暮らしていける、そんな住まいです。



