いつか思い出になる、夢ごこちな日々を。 7
担当:はせがわ
わくわくと、何が待ってるかわからないおびえる心を少し持って。
はじまり、はじまり。
ガレージみたいな玄関の扉。少し重たいその扉を、まるで祖父の家にある倉を開けるかのように、期待とちょっぴり怖さを持って開ける。
出迎えてくれるのは土間。
少しひんやりとした印象の空間に、ぽつんとあるアーチの入り口。なんだか、うさぎを追いかけてお茶会に参加する物語とか、そんな異世界に続いていそう。まあ、実際はそういうわけではなく、2階3階までの階段がつづきます。
土間とは打って変わって、階段から2階の居室に向かって、床は栗色の無垢材に。
2階は小さなキッチンとバルコニーのある部屋。3階はまるで空間に溶けているかのようにあるバスルーム。
正直、ふだん和室で暮らしているわたしからすると、暮らしの想像が追いつかない間取りではあったんですが、ふとしたときにこの部屋のことを思い出す。葉っぱにおおわれそうな重たい扉、アーチの入り口、栗色の床、空間に溶けたバスルーム。夢でも見ていたかのような景色で、でも確かに感触は覚えていて、不思議。
いつか部屋を出て行ってしまっても、今みたいにふとしたときにこの景色を思い出すだろう。いつか思い出になるような、物語の日々をここで書き留めてみて。
芦花公園という街は、名前のとおり本当に美しい街です。自然のみどりと青い空がちゃんと見える街並み。とくに大好きなのが、駅近くにある「世田谷文学館」。まず建物やロビーにうっとりしますし(鯉がいますよ〜 すごくきれい)、企画展・コレクション展ともに、いつも楽しみ。観覧料が安くて驚きます。ぜひここでも、たくさんの作品を見て思い出に留めてほしいな。